彫刻家 吉田 直 の世界

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彫刻作品

円成寺藏木造 

大日如来坐像模刻


(1995年)

   木彫 / 彩色
H988 W729 D470

  現在、円成寺多宝塔内に安置されるこの像の台座裏には「大仏師康慶実弟子運慶」が、平安時代末、安元元年十一月二十四日に造り始め、同二年(1176)十月十九日に奉渡したことなどを記した、運慶署と思われる墨書銘が残っている。父康慶の指導を仰ぎながら制作を進めたと考えられる、運慶青年期の作品である。

  像高98.8 cm、膝張72.9cm、膝奥47cm、この像は、檜材寄木造、漆箔、玉眼が施されている。像全体からは溌剌とした若さや、徹底した人体観察に基づく写実性が随所に見られ、次の鎌倉時代に活躍した運慶の大変意義深い像といえる。

  この模刻においては、運慶の造形を学ぶため形の追求に終始し、漆箔、玉眼は施されていない。

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